4.4mm バランス接続とは
2025/03/22

この記事で有線イヤホンを購入したときに、 あちこちの説明に書かれていて、とても気になっていた文言がありました。 それは 4.4mm バランス接続。
というわけで調べました。 これは、ノイズが少なくなる有線接続方式です。 本記事で解説します。
左右独立した配線

有線イヤホンで一般的な 3.5mm ステレオミニプラグ接続は、バランス接続に対してアンバランス接続とも呼ばれます。 図の左側のように、1つの線が左右で共有されています。
4.4mm バランス接続は、この図の右側のように、最初から左右が独立した配線になっています。 そのため、左右の相互干渉を受けづらいです。
バランスの取れた差動信号
アンバランス接続は、図では左側中央の黒い線が、共通のグラウンド線で、0ボルト固定です。
一方で右図のバランス接続には、グラウンド線がありません。 差動信号と呼ばれる方式で、例えば片耳2本線の片方が +0.5ボルトなら、もう片方は -0.5ボルトと、対象的な信号が送られます。 つまり電気信号としてバランスが取れた状態になっています。 これがバランス接続の名称の由来のようです。
ノイズ低減のロジック
ノイズ低減のロジックがよくわからなかったので、生成AI(Claude)と議論した結果、筆者の理解では、以下の通りです。
例えば左耳でノイズが発生し、電圧がその瞬間に上がった場合を考えます。 左耳の2本の線がどちらも0.1ボルト上がったとしましょう。
イヤホンで音を鳴らすドライバーは、電圧の差分で動作します。 このケースでは、左耳の2本の差分は変わらないため、ノイズは乗りません。
その時に右耳側は、どうでしょうか。
バランス接続であれば影響を受けないので、こちらもノイズは乗りません。
しかしアンバランス接続では、グラウンド線が0.1ボルト上がると、繋がっている右耳側にも影響を与えてしまい、差分が0.1ボルト変化します。 つまりノイズを右耳で感じます。
これが、アンバランス接続よりも、バランス接続の方がノイズが少なくなるロジックです。
5極と3極

この写真の、手前の5極がバランス接続4.4mm端子、 奥の3極が一般的なピンジャックの3.5mm接続端子です。
「極」というのは、電気信号を通す区切りの数のことです。 接続する線の数に対応します。
参考までに、マイク付きステレオヘッドセットの 3.5mm ミニプラグは4極になります。
バランス接続の5極は1つ余る?
バランス接続は、左右それぞれ2本繋げれば良いので、4極で良さそうですが、5極と規定されているようです。
左右それぞれの2箇所の信号に加えて、グラウンドが規定されているようです。 ステレオイヤホン接続時には、グラウンドに接続されません。 他の機器と接続する時に使用される、などの説明を読みましたが、残念ながら、筆者は必要性の理解に至りませんでした。
M0Proがバランス接続に対応していた
ここまで来たら、もちろん、バランス接続も試したい!
そのためには、まず音を出す側、DACを 4.4mm バランス接続対応に変更する必要があります。
調べていたところ、なんと、 先日の記事に記載したLDACトランスミッターとして購入した[PR]Shanling M0Proに、 [PR]専用4.4mmアダプタを追加することで、バランス接続に対応していることがわかりました。
まず試してみるには、これが安価で良さそうです。
イヤホンをバランス接続するにはケーブル交換
あとはイヤホン側です。
「バランス接続タイプのイヤホンなんて知らないなあ」という方も多いかと思います。
それもそのはず。 実は、先日の記事に記した[PR]Nioを含めて、 高級イヤホンの多くはリケーブル、すなわちケーブル交換ができるようになっていて、バランス接続のケーブルに替えることができます。
ケーブル交換可能か確認
イヤホンがケーブル交換可能かは、イヤホンの説明に記載があると思うので、確認しましょう。
筆者は、Nio購入前に、ケーブル交換が可能なことを確認済でした。
接続端子に注意

ケーブル交換が可能でも、イヤホンとの接続端子の形状に種類がありますので注意が必要です。 Nio は 2pin と呼ばれるタイプです。
2pin は代表的なタイプの1つで、もう1つ代表的なものに MMCX があります。 それ以外もあり、それぞれ見た目がまったく異なりますので、区別はできますが、確認は必要です。
初めてケーブルを抜く時に緊張
実際にケーブル交換が可能か、および形状が認識どおりかを確認するため、 試しに、イヤホンの筐体からケーブルを抜いてみましょう。
筆者も、Nioの筐体から付属のケーブルを抜いて…。 この瞬間がとても緊張しました。 でも大丈夫です。 ケーブルは問題なく外せました。 2pinであることも確認しました。
NOBUNAGA Labs ECLIPSE NLC-ECS
次はバランス接続ケーブルの購入です。
結論としては [PR]NOBUNAGA Labs ECLIPSE NLC-ECS を購入しました。 e☆イヤホンのネット通販で購入しています。
Nio付属のケーブルは、純度の高い導線を使用するなど、良いものでしたので、質は落とせません。 しかし、この時はよくわかっていませんでしたが、ケーブルでも音質は変わるのです。 結果的に NOBUNAGA Labs ECLIPSE NLC-ECS は満足のいくものでしたが、 ネット通販ではなく、本来は、きちんと音を聞いてから購入すべきでした。
試聴!…あまりよくわからない
試聴してみました! うーん。。。 3.5mm アンバランス接続と 4.4mm バランス接続との違いは、筆者には正直なところよくわかりません。
M0Proを通すことで、音質は向上しました。 ただ、普通に音楽を聴いている範囲ですと、接続方式では、そこまでの差は無いようです。
自宅の安定した環境で試聴しているから、かもしれません。 ノイズおよび相互干渉が低減されるのは、ロジックとして理解しているので、音質は向上しているハズです。
引き続き、本格的に、バランス接続対応 DAC を探してみることにします。
カナル型ケーブルに交換したい

Nioは、カナル型という、ケーブルを後ろから前に耳の上を通すタイプで、ケーブルがこの写真の形状をしています。 イヤホンの筐体だけでは耳に固定されないので、カナル型のケーブルが必要です。
購入した ECLIPSE NLC-ECS はそのタイプではありませんでした。 正直間違えました…。 そのためケーブルも再交換したいと思いつつ、こちらはいったん保留です。
まとめ
本記事では、ステレオイヤホンの 4.4mm バランス接続について解説しました。
筆者の耳では違いがよくわかりませんでしたが、環境にもよるでしょうし、ロジックとしては、4.4mm バランス接続の方が、3.5mm アンバランス接続よりも良いのは確実ですので、 バランス接続の追求は続けようと思います。
次回記事では、この後で購入した、 4.4mm バランス接続に対応した DAC を紹介します。
補足
・ノイズ低減の理由として「差動信号により電圧の差分で動作するから」というのもあるようですが、高級イヤホンの各ドライバーはすでに差分で動作しているため、本ケースでは当てはまらないと考えます。・本記事で記した音質の感想はあくまで個人の主観によるものです。イヤホン等の購入を検討される際にはご自身で試聴してご確認ください。
・本記事で紹介した各製品は各社の登録商標または商標と思いますが「®」「™」等の表記はしておりません。
カテゴリー:オーディオ推し
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