『EXOFIELD THEATER』でヘッドフォンなのに前方から音が…?
2020/12/30

いやあ、年末になっても新型コロナウイルス感染症の驚異が消えませんね。
子に紹介されたのですが秋葉原に『e☆イヤホン』というお店があるようで、 11月に行くつもりでいたのですが、さすがに不要不急だと思い行かないことにしました。 そして行けたら買おうと思っていたのですが我慢できずにオンラインで購入してしまいました『EXOFIELD THEATER』。 お値段なんと10万円!キャー!
値段が値段だけに試聴してからと思ったのですけれどね。 評価が良いので思い切って買うことに。 ちなみに『e☆イヤホン』さんで割引されていたので安くは買えました。
全方位ヘッドフォンシステム『EXOFIELD THEATER』
『EXOFIELD THEATER』は一言でいうとバーチャルサラウンドヘッドフォンシステムです。 …と思いつつ公式サイトを見ると「サラウンドでもバーチャルでもない」って書かれてしまっていますね(汗
ヘッドフォンなのに全方位から音が鳴るスグレモノです。
音に包み込まれるサラウンド

私の自宅には5.1chのサラウンドシステムがあります。 この5.1というのはスピーカーの数です。 図が4chで、ひとつ前方中央に追加して5ch。 さらに低音を強調するサブウーハーというのを追加して5.1chになります。
少ないスピーカー数で実現するバーチャルサラウンド
前後左右にスピーカーがあれば前後左右から音が聴こえてくるのはある意味当然ですが、 それを前方のスピーカーだけとか、ヘッドフォンだけで実現するのがバーチャルサラウンドです。
ヘッドフォンとか、前方のスピーカーだけで後ろから音が聴こえてくるのは不思議ですよね。 音は波として数学的に表現できますので、前からの音はそのまま出力、後ろからの音は、その音の波がある意味で逆になるように変換して出力することで実現しているようです。
バーチャルサラウンドって本当に後ろから聴こえる?
私が聴く限りにおいては、ですが、、、
まず、自宅にある5.1chサラウンドシステム、すなわちバーチャルではなくリアルのサラウンドシステムであれば、ある程度しっかり音の位置がわかります。 5.1chサラウンド対応の音声が収録されたBDやDVDを視聴すれば、画像に連動した位置から音が出ているように聴こえます。 サラウンド対応ゲームであれば、後から敵が迫ってきたり爆弾が設置されれば、その音が後ろから聴こえますので、場合によっては有利になります。 これは後ろのスピーカーから音がなっているので当然とも言えますね。
それに対して、まず自宅のテレビもバーチャルサラウンドに対応しているようですが、 全体として包み込むような感覚になるのは良い感じなのですが、 音それぞれの位置ははっきりしないなあ、と感じています。
パソコンのヘッドフォンに付属しているバーチャルサラウンドシステムでは、 正面からとされる音が頭の中央から、 後ろからとされる音はそこから数センチ後ろにズレた位置から聴こえます。 まあ、もちろんそれだけでもかなり凄いとは思います。
前から聴こえない不満
私としては、ヘッドフォンで前から聴こえないのが不満でした。
以前そうツイッターに書いたときに、返信で紹介していただいたのがEXOFIELDでした。 ただしそのときには前からは対応しているもののサラウンドには対応していなかったようで、 購入は見送っていました。
そしてついに今年、サラウンド対応の『EXOFIELD THEATER』が出たのです!!
複雑な形の耳で「前」を判断
一般的に、人間の耳は左右にひとつずつあります。 左右それぞれに聴こえる音を比べれば、その音が左右のどのあたりから出ているかは判断できそうです。 これは細かい理屈を抜きにすれば理解できます。 しかしそれだけだと「前」か「後」か、あるいは「上」か「下」かの区別はつかないですよね。 でも、私達はそれらも含めて音の位置を把握できていると思います。 私はここがとても不思議でした。
調べてみるとどうやら、耳の中に音が届くまでに、耳で色々な反射をするので、それで微妙に音が変化し、その違いを脳が判断しているようなのです。 だから人間の耳はちょっと複雑な形をしているとのこと。 前から来た音と上から来た音は反射の仕方が違うのですね。 なるほどー
万人共通の「前」からの音は作れない
しかし人間の耳の形はひとりひとり違いますので、音の反射の仕方もバラバラです。 だから万人共通の前からの音は作れないようです。残念。
私としては、後ろからの音をバーチャルで実現できているのだから、 前からの音も簡単だろうなんて思っていました。 とんでもない誤解でしたね。
測定することで前後上下を可能に
その個人差を解決するために、『EXOFIELD THEATER』には最初に測定のフェーズがあります。 これで、個人個人の設定をしているようです。 具体的にはヘッドフォンをして「プツプツ…」「ギュインギュイン」と聴こえてくるのを待つこと数秒。 あっさり。超簡単。これだけで私専用のセッティングができたということかと思います!
そしていよいよ試聴タイム。ワクワク!
うーん、前から聴こえない…
結論から書くと、私の耳というか脳には前から聴こえませんでした。 そこが最大の期待だったので超残念。
ただし、単純に耳元から聴こえるわけでもなく、 なんというか騙されきれていないという感じです。 耳元および前方から聴こえるような感じでしょうか。
今回はその落胆がとても大きかったのですが、後ろからの音は50cm程度離れた後方からしっかり聴こえます。 そして上の音もしっかり、かなり上から聴こえます。 これは凄い!
前から聴こえた!
その状態で、手元にDOLBY ATMOS対応の『レデイ・プレイヤー1』のBDがあったので再生してみました。 いやあ、それぞれの音が、きちんとその位置で再生されていて壮観です。
そしてそして、後ろから前に飛行物体が移動するシーンでは、 私の耳にも、後ろから前に音も動いているように聴こえました! 前もしっかりです!! おそらくですが、はっきり位置が認識でている後ろからの音が、徐々に前に移動したことで、そして目から入ってくる情報を加えることで、私の脳が騙されたんでしょうね。 ここは騙されたい!
すごいぞDOLBY ATMOS!
DOLBY ATMOSはサラウンド形式のひとつですが、ちょっとした特徴があるようです。
通常のサラウンド形式は5.1chとか7.1chとか、各スピーカーに音が割り振られています。 しかしどうやらDOLBY ATMOSは、どうやらそれぞれの音に位置情報がついている形式らしいです。
例えば5.1chの場合、 元の音の位置に基づいて5.1chの各スピーカーに割り振られます。 その音を人間が聴いて、 脳が音を合成すると共にその位置を再現します。 それを『EXOFIELD THEATER』で実現する場合、 スピーカーの位置をバーチャルで再現した状態でその音を聴き、 その後でそれを合成して位置に変換するので、 なんというか、二重にバーチャルになっている状態だと思います。
しかしDOLBY ATMOSは、元の音の位置情報をそのまま使用する仕組みのようです。 つまりおそらく、『EXOFIELD THEATER』でそれを再生する場合は固定位置のスピーカー配置がなくなり、 ぴったりその位置にその音を再現すれば良いことになると思います。 要はDOLBY ATMOSと『EXOFIELD THEATER』の組み合わせは、相性が抜群に良いということになりそうです。
PS4はDOLBY ATMOSに対応していますよー
今回は『PlayStation 4』でBDを再生しました。 ネットで検索するとPS4がDOLBY ATMOSに対応しているという情報と対応していないという情報があって困惑しましたが、 結論としては対応していました!
ただし設定が必要でしたので、簡単に紹介します。
・本体設定の音声出力をビットストリーム(Dolby)に
・BD再生中にOPTIONボタンを押して「音声フォーマット」をビットストリーム(ダイレクト)に
正直なところ後者は罠ですよね。 ネットで調べているうちに発見できましたが、 気づきませんよ、こんなの(汗
あとは、DVDやBDには通常複数の音声が設定されているでしょうから、DOLBY ATMOS対応のものを忘れずに選ぶことも必要ですね。 これでうちの『EXOFIELD THEATER』ではDOLBY ATMOSランプが点灯しました!
プリセットが4つ設定できるので家族にも優しい
個人個人で音を変える必要がある『EXOFIELD THEATER』は個人用…かと思いきや、 プリセットが4つ設定できるので家族4人までなら使えます。
まあヘッドフォンは1つなので同時には無理ですが、順番に使えるだけでもありがたい。 結果的には家族も興味津々だったので、ひとり10万円ずつということにならなくて良かった(笑)。
うちの子には遠くから聴こえるらしい
というわけでプリセット2には、一緒に『e☆イヤホン』に行く予定だった我が子を設定。 さすがにアンパンマンの頃から5.1chで視聴しているだけのことはあり…というのが関係しているかはわかりませんが、 「オーディオの話ができるのが父さん(私)しかいない」と嘆くくらいのオーディオ好き。 ゲーム業界に来れば熱く話せる人はいっぱいいるゾ!
さて、測定して試聴。子の第一声は「すごい!」。 前方の遠くから聴こえている模様。後ろも上もバッチリ。 ただし耳元の音も遠くから聴こえているとのことでちょっとだけ残念。 あと前方も若干違和感がある模様。 でも、前から聴こえるらしいので、良いなあー。
完璧に前から聴こえる妻が羨ましい
もうひとり妻の耳用にもセッティング。プリセット3。 うちはサラウンドシステムに音を通すために複雑怪奇な設定をしないとろくにテレビも見られないので、 こういったことにはいつもブーブーなのですが、今回は興味が湧いた模様。
測定からの試聴でその第一声は「音出てる?」
音が出ていなさそうということでヘッドフォンを外して「!!!」 どうやら1-2m程度前方のテレビから音が出ていて、ヘッドフォンからは音が出ていないと感じたらしいです。 テレビからは音が出ていませんでしたので、『EXOFIELD THEATER』からの音が、完璧に前方1-2mの位置から聴こえたってことですね。 良いなあー。超羨ましい
色々確認すると、妻は上からの音がよくわからないようでした。 それは少々残念ですが、違和感がまったく無く前から聴こえているのが超羨ましい。
7.1chは5.1chより良さそう
最後に余談ですが、、、 音の位置は人間の耳の複雑な形状も利用して判断しているということで、 実は前方の左右のスピーカーから同じ音が出ていても、 その仕組によって前方左右それぞれから出ているという誤認をしてしまうケースもありそうですね。 いや逆だ。誤認じゃないですね。誤認できなくてスピーカーの位置を正確に把握してしまうケース。
私は4chで十分だと思っていましたが、 こうして考えると5.1chの前方中央のセンタースピーカーも重要なのでしょうね。
さらに左右にスピーカーを追加した7.1chは、 同様の理由で5.1chより音の位置を正確に反映できそうですね。 好きなメーカーであるYAMAHAさんの最新AVアンプが7.1ch対応と知りながら、今の5.1chで十分だと思っていましたが、AVアンプの買い替えも検討するか。。。
まとめ
『EXOFIELD THEATER』は全方向から聴こえる超優れたヘッドフォンシステムです。 特にDOLBY ATMOSとの相性が抜群です。
しかしながらその聴こえ方は人それぞれ違うようです。 Victorさん!私の耳でも自然に前から聴こえるように更なる改良を期待します!
というか我が子がVictorに入りそこを担当するってのも良いな(適当)。
でも実現のためには高度な数学や物理学が必要でしょうね。 子は『EXOFIELD THEATER』を手に入れてからそれでゲームばかりしているのだけれど、 いや、ゲームをすること自体は良いのだけれど、どんな仕事に就くかはともかく勉強もがんばってくれ!
補足
・サラウンドやバーチャルサラウンドの説明を記載していますが、私がそう思っているというだけで厳密な定義は違うかも知れません。私は専門家ではありませんので、それ以外にも間違い等あるかも知れません。・アンパンマンの音源はステレオだったと思いますが、YAMAHAのAVアンプでサラウンド拡張して聴いていました。本当はこのサラウンドシステムで5.1chの洋画とか見たかったのですが子が小さいうちはそうもいかず(汗
・本記事で紹介した各製品は各社の登録商標または商標と思いますが「®」「™」等の表記はしておりません。
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